研究課題/領域番号 |
18560110
|
研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
佐野 利男 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (60337699)
|
研究分担者 |
武石 洋征 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20083909)
花田 幸太郎 産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (00357790)
初鹿野 寛一 産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (00357782)
|
キーワード | ナノ炭素 / 高速噴射 / インサイチュー / 金型 / 熱間加工 |
研究概要 |
熱間加工用の金型寿命を大幅に改善するには自己潤滑性、耐摩耗性、高熱伝導性の特性を併せ持つ表面皮膜及びそのコーティング技術の開発が必要不可欠であり、ショットピーニングを応用した固体潤滑高速噴射法によるナノ炭素コーティングが有効であると考えられる。しかしながら、ナノ炭素は比重が極めて軽いため、従来の高速噴射装置を用いて緻密かつ密着性のある機能性被膜を形成することは困難である。 そこで本研究では、ナノ炭素高速噴射技術の開発とナノ炭素皮膜を有する高性能金型の開発を行うことを目的とした。H19年度は、前年度に引き続き噴射装置及び噴射ノズルの改良開発と凹凸形状金型へのナノ炭素コーティングを試み、金型性能等について評価した。 (1)ナノ炭素高速噴射技術の開発 ナノ炭素高速噴射装置にガス加熱装置(室温〜600℃)を追加することにより成膜効率を最大約3倍に向上させることができた。本装置を使ってグラファイト粉末のコーティングを試みたところ、皮膜厚さが増加しこれに伴って潤滑寿命も改善することができた。また、さらに噴射速度を上げるためノズル形状を改良したが、噴射ノズル内での内圧が高くなり原料粉末の供給が困難となったため高圧ガス流への原料粉末供給法の検討が必要となった。 (2)熱間加工用高性能金型の開発 高速噴射処理を施した熱間押出し成形用金型ダイスを用いてアルミ熱間押出し成形を行った。その結果、従来手法によりグラファイト潤滑剤、二硫化モリブデン潤滑剤を塗布した金型を用いた場合は潤滑剤がアルミ成形品に移着するのに対し、高速噴射金型を用いた場合は潤滑皮膜の移着もなく表面粗さが低く金属光沢のアルミ成形品を得ることができた。また、高速噴射処理した金型と従来潤滑との併用によって成形荷重をさらに低減できることがわかった。
|