研究概要 |
本研究は,超精密メゾスケール部品の創成に適した,小型加工システムの開発を目的にしたものである.特に,水のエネルギ0を加工システムの駆動に使用することを特徴としている.これを可能にするのが,これまでに研究代表者によって考案・開発された,ウォータドライブスピンドルである. 今年度は,先行研究で開発されたウォータドライブスピンドルの機能を発展させて,回転角制御機能を有するウォータドライブスピンドルの設計と製作を行った.今年度の具体的な研究実績は次の通りである. (1)回転角制御機能を有するウォータドライブスピンドルの基本構造を決定した. (2)詳細設計を行うために,考案したウォータドライブスピンドルに関する数学モデルを導出した. (3)数学モデルに基づき,スピンドルの各パラメータがスピンドル性能に及ぼす影響ついて検討した. (4)開発した最適設計用ソフトウエアにより,定格出力200W,定格回転数5000rpmのスピンドルの主要寸法を決定した. (5)回転角制御機能を有するウォータドライブスピンドルの製作図面を作成した. (6)設計したスピンドルを製作した.スピンドルの構成材料は,ステンレス合金を主体とし,一部の部品には,銅合金を使用した. (7)導出した数学モデルを線形化した結果,スピンドルは1次系でモデル化できることを示した. (8)線形化された数学モデルを用いて,状態方程式を導出し,スピンドルの制御性能に関するシミュレーションを行った. 以上の研究成果の一部は,学会発表に加えて特許出願した.
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