研究概要 |
本申請研究の初年度においては,ダイヤモンドペレットの固定砥粒による研磨加工特性の基礎的な評価を行った.その実験方法としては,SD#200の単一ペレットを固定し,工作物として用いたソーダガラスを回転させ,一定の圧力でペレットをソーダガラスに押しつけて研磨加工を行う方式とした.実験の評価パラメータとしては,ペレット通過長さとしての"ペレット摩擦距離",工作物の"研磨量",並びに"ペレット摩耗量"とし,実験に使用するペレット径を20,15,10,8mmとした.なお,径20mmのものを基準ペレットとして用いた. 得られた結果を要約すると以下のとおりである. 1)ペレット摩擦距離と研磨量の間には相関関係はなく,ある一定のペレット摩擦距離を超えると研磨量はそれ以上増加しない結果となった.このとき,ペレット径を変化させた検討も行ったが,20mmの場合にはペレット摩擦距離が約8mm,15mmの場合で約7mm,10mmの場合で約5mm,8mmの場合で約4.5mmであった.すなわち,研磨量が一定となるペレット摩擦距離は,ペレット径に依存すると考えられる. 2)研磨量に対して研削速度との相関を検討した.このとき,研磨量を積分したものを研削断面積量と定義したが,ペレット径に関わらず,研磨断面積量は研磨速度と相関関係があった. 3)ペレット摩耗量と研磨量の間には相関関係が見られる傾向にあり,このことは,ダイヤモンドペレットによる研磨加工はペレット摩擦距離に依存しての研磨量分布が得られるものではなく,ペレット断面形状の転写加工であると判断できる.また,断面形状の転写加工であることが原因で,ペレット両端部が最も摩耗しやすい傾向にあることが分かった. 次年度は初年度の研究で得られた成果をデータベースとして,ペレット配置の最適化検討を進める予定である.
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