研究概要 |
1)宇宙用PFPE基油815Zとグリース601EFの転がり軸受寿命試験を行った結果、グリースに比べ基油が著しく短寿命となったが、その原因として基油の永久粘度低下に伴うHFガスの発生によることを明らかにした。また、宇宙用MAC系基油2001AとグリースR2000の転がり軸受寿命試験を行った結果、MAC系基油とグリースの軸受寿命はパラフィン系基油・グリースの軸受寿命の2倍に、PFPE基油グリースでは5倍以上になることが分かった。[STLE Annual Meeting, Philadelphia, USA(2007-5)] 2)基油815ZのEHL件下での一時的粘度低下は液体領域で、永久粘度低下は粘弾性固体領域、弾塑性固体領域で起こることを、面圧を変えての転がり軸受試験から明らかにした。[Tribology Online,2,2(2007)54] 3)基油815Zの4球摩耗試験において、弾塑性固体領域において著しい摩耗痕径の増大が認められた。したがって、815Zの粘度低下がEHL領域のみならず境界潤滑領域においても生じることを明らかにした。[機械材料・材料加工講演会、長岡市(2007-11)] 4)基油815ZはEHL条件下では液体領域で使用すべきである。
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