研究課題
基盤研究(C)
本研究では、コロイダルダンパーを実用化するための応用研究を行い、今年度では、自動車を用いて、コロイダルダンパーを懸袈装置(サスペンション部)のダンパーに応用し、実用的な動特性を調べた。具体的には、中古車(トヨタカローラII Super Windy)を購入し、自動車に振動の測定装置(3次元のモーションレコーダ、加速度計、モバイルレコーダなど)を取り付けて、凹凸路面(12個のジョイステップ)での走行実験を行った。市販されている懸架装置の構造(コイルばねと油圧ダンパー)を検討し、サスペンション部の代わりにコロイダルダンパーの試部品を設計・製作した。その際、コロイダルダンパーの耐久性を増加するためのコロイド溶液用容器を用いた(裏面に続く特許出願・発表を参照する)。又、水のポンプを用いて、シリンダ内の初期圧力やコロイダルダンパーの減衰特性を調整できること、ピストンの初期位置(組み立てるとき)を調整できること、水漏れの対策(車検のとき)ができること、並びに空気の解放(組み立てるとき)ができることを明らかにした(特許出願の手続き中)。疲労試験機による加振実験(周波数範囲0-5Hz、変位範囲±25mm)を行い、古い油圧ダンパー(10万km)・新しい油圧ダンパー(0km)・コロイダルダンパー(0km)の減衰能力を調べた。その結果、30mmのピストン直径を有する油圧ダンパーに対して、10mmのピストン直径を有するコロイダルダンパーの減衰特性(散逸エネルギーと減衰係数)が高いことがわかった。又、油圧ダンパーはコイルばねと並列で働いているので、衝撃を受けたときにコイルばねが圧縮され、エネルギーを吸収する。その後コイルばねが引っ張られるとき、吸収されたエネルギーを油圧ダンパーに伝達して、エネルギーを散逸する。このメカニズムに対して、コロイダルダンパーの場合、コイルばねを使用せず、一つの機械要素でサスペンションが働き、衝撃を受けたときにコロイド溶液が圧縮され、エネルギーを散逸することがわかった。
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ASME MNC2007-21210 (ISBN 0-7918-3794-7)(賞:米国機械学会の2007年度の無料会員,Membership 9130824) (CD-ROM)
ページ: 1-8
福岡工業大学エレクトロニクス研究所所報 23
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Int.Conf.on Noise & Vibration Eng., ISMA2006, Belgium (ISBN 90-73802-83-0) (CD-ROM)
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Journal of Sound and Vibration(ELSEVIER, Academic Press) (印刷中)