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2007 年度 実績報告書

高速・高面圧下におけるPEEK樹脂軸受の焼付きとその検出に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18560147
研究機関八戸工業高等専門学校

研究代表者

赤垣 友治  八戸工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20149909)

キーワードトライボロジー / PEEK樹脂軸受 / 焼付き / 摩擦摩耗特性 / 潤滑摩耗 / 摩耗粒子 / 摩耗診断 / メンテナンス
研究概要

油潤滑下におけるPEEK複合材料及び未充填PEEK材料(PEEK)の焼付き特性をすべり速度10〜20m/sの高速下で調べた.また比較のために,ホワイトメタル(WJ2)も実験に使用した.使用潤滑油は無添加タービン油(ISOVG46,滴下潤滑)で,ブロックオンリング型摩擦摩耗試験機を用いて実験を行った.リングは鍛鋼、SF540Aで,ブロック材料は上述の4種類を使用した.実験は,焼付きが発生するまで荷重を増加させる荷重増加試験と一定荷重試験(荷重一定:294,588,882,1177N)の2通りの方法で行った.摩耗面及び発生した摩耗粒子はSEMで観察し,EDSで分析した.また,潤滑油中に含まれる摩耗粒子のSOAP分析も行った.以下に得られた結果を示す.
1.荷重増加試験において,PEEK及びPEEK複合材料はすべり速度19m/sでも焼付かず,最も耐焼付き性に優れていることが分かった.WJ2は,すべり速度15m/sでも焼付きが発生した.
2.一定荷重試験では,すべり速度15m/s以上の高速下でPEEK及びPEEK複合材料も焼付きを生じた.これは,一定荷重試験では摩擦係数が一定でもリング温度が安定せず増加するためで,PEEK及びPEEK複合材料の摩擦挙動(焼付き)は摩擦面温度に強く依存することがわかった.WJ2はリング温度が80〜90℃,PEEKは120〜130℃,PEEK複合材料は160〜180℃を超えると焼付きに遷移することが明らかになった.
3.金属材料は,ある温度(80〜90℃)を超えると急激に焼付きに遷移した.これに対して,PEEK及びPEEK複合材料は,各々約100℃,約140℃を超えると,摩擦係数は緩やかに増加し始め,ある温度に達すると急激に摩擦係数が増加し焼付きを発生した.このように,PEEK材料は他の金属材料に比較して,混合潤滑(境界潤滑)を維持する能力に優れていることがわかった.
4.リング温度の観点から,焼付き限界曲線(摩耗形態図)を求めることができ,メンテナンスや軸受設計に関する一つの指針を得ることができた.各領域において発生する摩耗粒子を観察分析することによって,樹脂軸受の運転状態を把握することができる可能性が示された.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 油潤滑下におけるPEEK樹脂の摩擦摩耗に及ぼす材料の組合せの影響2007

    • 著者名/発表者名
      赤垣友治, 中村健, 橋本淑希, 川畑雅彦
    • 雑誌名

      日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集

      ページ: 53-54

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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