研究概要 |
粒度分布をもつ微粒子群を回転ハウジングとコア間に生成させた準剛体回転流中で粒子に働く遠心力と流体抗力の差により高い精度で分ける湿式遠心分級方式の高処理量化・連続多産物化について研究し,以下の知見を得た。 1.新分級方式による高処理量化と連続多産物化について高速一体回転する円板・円柱面からなる軸対称のハウジングとコアからなる分級機のすきまに,分散媒液を貫流させて生成した準剛体回転流に,原料粉体を供給して微粉・中間粉・粗粉の三産物を同時に得る連続式三産物分級方式において,分級機形状並びに各産物の流量と給水流量の分配率が分級性能に及ぼす影響を明らかにした。 2.従来方式による連続・多産物化についてバッチ式の二段三産物分級方式について,各段の性能に関するスケール則を実験的に考察し以下の結論を得た。(1)エクマン数が一定の場合,単段二産物分級方式で得られた分級径に関するスケール則(分級径は遠心効果パラメータの0.5乗に反比例する)は,二段三産物分級方式の各段にも適応できる。(2)遠心効果パラメータが一定の場合,二段分級方式の各段における分級径はエクマン数の0.65乗に比例する。(3)数値解で認められる遠心効果パラメータとエクマン数への分級性能の依存性は,実験結果と定性的に一致する。バッチ式二段分級方式の赤道部から抽出を行う半連続式・連続式分級方式を実験的に考察し以下の結論を得た。(4)バッチ式,半連続式,連続式の分級方式の違いによる各段の分級径の変化は,数値解と定性的に一致する。(5)他方,分級方式の違いによる各段の分級精度の変化は,数値解と定性的に一致しない。(6)分級方式の違いによる中間粉産物の平均径の変化は数値解と定性的に一致するが,変動係数は一致しない。
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