研究課題
基盤研究(C)
構造格子に基づく移動格子有限体積法についての応用として、二次元問題では、せん断流中の円柱の渦励起振動の解析に適用し、一様流中の場合との比較を行い、せん断流中の円柱自励振動の特徴を見出すとともに、計算法の更なる改良を行うことができた。並行して、格子の追加・削除アルゴリズムを組み込むことにより、物体境界が大移動した場合の、あるいは、複数物体が相互運動することによって誘起される流れ場の解析に適した方法として、物体を囲む格子群を静止主格子の中に埋め込み、それが主格子中を自由に動き回ることが可能でかつ物理量が完全に保存されるという特徴を持つ「移動埋め込み格子法」と呼ぶ新しいアイデアを提案し、2次元問題についてその有効性の検証を行った。また、流体中を移動する物体を別の物体が追い抜くときに誘起される干渉流れ場を解析し双方の物体が受ける抵抗と横向き力の時間変化を明らかにした。これにより二つの液滴が相対的に近づいたり遠ざかったりする場合の効果的な計算アルゴリズムを確立することができたと考えている。三次元問題では、大移動する3次元格子を効率よく形成するための格子モーフィング法について、血管流を想定した心臓モデルを対象にいくつかの検討を行い、問題点の指摘と効率的な方法を学会に於いて提案した。一方、非構造格子に基づく移動格子有限体積法については、圧縮性流体に対する方法の直接的な非圧縮性流体への拡張として、擬似圧縮性法を用いた非圧縮性解析コードを作成し、検証を行った。更に、3次元への拡張に着手した。非構造格子における格子点の追加・削除アルゴリズムについては、3次元圧縮性流体を対象にパイロットコードを作成し、問題点の抽出を行った。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Parallel Computational Fluid Dynamics, Elsevier (印刷中)
Computational Fluid Dynamics Journal Vo.15, No.38
ページ: 281-287