研究課題
本研究課題では独自に開発した移動格子有限体積法を発展させ、格子点を必要に応じ追加削除を行いながら、分裂合体を考慮した2流体の界面を正確に追跡し計算できる方法を確立する。そして、それを用いて界面における流れのメカニズムの詳細を明らかにしようとするものである。平成20年度においては、計算法については、前年度に引き続いて格子点の追加・削除を組み込んだ移動格子有限体積法を、三次元構造および非構造格子について発展させ、界面の力学モデルについては、3次元容器内のスロッシング現象を対象に定式化と検証を行った。構造格子を対象に考案した二次元空間に対する「移動埋め込み格子法」について、三次元への拡張を行った。結果として、格子点の追加・削除はマルチブロック構造をもつ格子系に対し確立できた。非構造格子計算法については、非圧縮性流体への展開を二次元に続けて三次元への展開を実施したものの、非構造格子に関する格子点の追加・削除は、いびつな格子が生成されてしまうという問題点が生じ、今後の問題点として残った。ただし、構造格子的に面として行うことでその可能性は示された。一方、界面の力学については、分離合体を含む界面運動追跡モデルの定式化を行い、3次元スロッシング問題に適用するとともに、マルチブロック型移動埋め込み格子法にインプリメントを行なうとともに汎用化を実施した。界面運動の力学では、モデルとして、表面張力の効果、濡れ角の効果等について検討を行ったが、分離・合体におけるそれらの効果については課題として残った。
すべて 2009 2008
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Parallel Computational Fluid dynamics, Lecture Notes in Computational Science and Engineering 67, Springer
ページ: 147-154
ページ: 245-252
日本機械学会論文集(B編) 75
ページ: 213-218