研究概要 |
磁性流体気液二相流における気泡速度計測においては,電磁誘導を用いたボイド率計測技術を発展させ,流路の上下二箇所に二次コイルを配置し,そのデータ波形の時間差を相互相関関数により求め,その時間差から気泡速度を求める方法を提案し,有用性を検証した.その結果磁性流体の濃度が100vol%と5vol%である流体の気液二相流におけるスラグ流およびチャーン流域において,この手法による気泡速度計測方法が妥当であることを確認した.さらに,本測定方法から得られるデータ波形を解析することにより,気液二相流の流動様式の判別が可能であることがわかった. また,感温性磁性流体を用いた水平熱輸送装置に関する研究においては,流動様式が鉛直上昇流の場合の実験結果との比較により,水平装置の駆動力特性および駆動力改善方法の検討を行った.その結果,鉛直上昇流における駆動力特性の多くが重力場由来の気泡ポンプ効果によるものであり,気泡ポンプ効果が有効に働かない水平流では磁場由来の力の大幅な改善が必要であるが,気液二相流を用いることが磁場由来の力による駆動力の改善方法として有効であることが判明した. さらに,磁性微粒子を含む磁気弾性体による磁場流量制御においては,シリコーンゲルに強磁性微粒子を混合させた磁気弾性体の安定分散性および流量制御特性を調査した.その結果,強磁性微粒子を混合させたシリコーンゲルを用いた流量制御は,印加磁場の変化に伴い連続かつ可逆的な制御が可能であるという知見を得た.
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