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2007 年度 実績報告書

生体組織の凍結保存において細胞の配向と細胞同士の接触状態が生存率に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 18560210
研究機関北里大学

研究代表者

氏平 政伸  北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (70286392)

キーワード生体組織の凍結保存 / 細胞密度 / 単層培養細胞 / 細胞の配向制御 / 細胞同士の接触 / ヒト皮膚繊維芽細胞 / 細胞生存率 / 凍結方向
研究概要

細胞の配向と細胞密度上昇に伴う接触状態の違いが凍結解凍過程において細胞に与える影響を明確にすることを目的とし,本年度は,第1に配向制御された単層培養細胞を各方向から凍結させ解凍後の蛍光画像解析により生存率を求め,第2に懸濁細胞の凍結時の密集に伴う接触が解凍後の生存率に与える影響を調べた.ヒト皮膚繊維芽細胞(Cell Systems Fb Cells)を継代培養したものを実験に用いた.カバースリップ(松浪24x24×0.7mm)に磨紙(#1000)で一方向に溝加工し滅菌後,細胞を播種し2日間その上で単層培養(細胞密度:5×105cells/cm2)したものを配向制御試料とした.試料に傾斜をつけることで凍結方向を可変出来る実験系を実現した.凍結保護物質として10%ジメチルスルポキシドを用い,4〜-80℃の範囲で0.1〜10℃/minの冷却速度で凍結させ-185℃以下で保持した直後に解凍した.その後試料を蛍光染色[同仁化学Calce量n AM(生細胞),DAPI(死細胞)]し,蛍光倒立顕微鏡(ニコンTE300DEF-S),デジタルCCDカメラ(浜松ホトニクスORCAER),画像処理・解析システム(前年度購入)を介しパーソナルコンピュータに蛍光と位相差画像を取り込み,細胞の2次元的生存分布状態と生存率を求めた.更に,上と同冷却条件において懸濁細胞(初期細胞密度:106cens/cm3)を高分子ピアルロン酸の粘性で制動隔離し凍結し,解凍後にトリパンブルー染色法により生存率を求めた.結果として,配向制御試料の凍結実験より,細胞の配向よりも凍結方向や基質の違いによる細胞周りの氷晶形成状態の相違の方が生存率に影響を与えることが示唆された.そして,懸濁細胞の凍結実験より,緩速冷却条件で凍結中の細胞の密集に伴う接触により生存率が低下することが明らかとなった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Investigation of the Influence of Cell Density of Human Fibroblasts Cryopreserved Inside Collagen Sponges at Various Cooling Rates2007

    • 著者名/発表者名
      Matsumura Y
    • 雑誌名

      CryoLetters 28(5)

      ページ: 337-346

    • 査読あり
  • [学会発表] 凍結保存された単層培養細胞における生存分布の2次元観測:細胞密度と冷却速度の影響2007

    • 著者名/発表者名
      岩間 輝
    • 学会等名
      日本機械学会第18回バイオフロンティア講演会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2007-10-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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