研究概要 |
本年度は,下記の二つの内容の実験と計算を実施し,期待以上の成果が得られた. 1.高解像度撮影による非定常噴霧の液滴特性 1)幾何光学設計による高解像度画像撮影用レンズ系の設計と自製 2)同上レンズ系による8[in]x10[in]の大判フイルム上に非定常噴霧の液滴撮影 3)得られた主な実験結果はつぎの通りである. (1)従来は非定常噴霧の液滴撮影では噴孔出口から約10[mm]までは不可能であったが,この領域の噴霧外縁部から1[mm]ないし2[mm]の範囲の液滴補足が可能になった.本領域の下流の噴霧外縁部では,3[mm]ないし5[mm]まで液滴撮影領域が拡大された. (2)撮影領域の液滴の表面積/体積直径の分布が得られた.この結果は,最初の着火が発生する機構を考察する上で,非常に重要である. 2.非定常噴霧のシミュレーション 1)既存コードにLarge Eddy Simulation(LES)の手法を組込んだ新コードの完成 2)新コードによる非定常・非蒸発噴霧の数値予測 3)得られた主な計算結果は下記の通りである. (1)既存コードでは予測不能であった当該噴霧の魚の骨構造が,本コードでは再現可能であることを世界で始めて立証した. (2)同様に本コードによれば,当該噴霧の渦成長過程が計算される. (3)本コードの数値予測結果は,実験で得られる当該噴霧の構造を極めて高い精度で表現可能である.
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