本研究では、予混合火炎からのOH、CH、C_2などの中間生成物の発光を調べることにより消炎限界付近の火炎片の挙動を明らかにし、乱流予混合火炎の局所的な消炎現象を計測する手法を確立することを目的とした。 本年度は、以下の2点について検討を行った。 1)燃料希薄領域のプロパン・空気予混合火炎からのC_2の473.7nmバンドと516.5nmバンドの発光を計測するために、光ファイバを使用しない新たな分光計測システムを設計・開発する。具体的には、集光部分(カセグレン光学系)と分光部分(ダイクロイックミラー、干渉フィルターおよび光電子増倍管)を一体化した分光計測システムを開発した。これにより、光電子増倍管の出力増幅倍率を10^4倍程度に抑え、信号のS/N比のみならず信号の周波数特性をも大幅に改善することができる、さらに、光電子増倍管のプリアンプ部分では、電気的なノイズの原因となるAC電源からDC電源を作り出すスイッチング回路を用いず、全てをバッテリー駆動方式とすることにより、徹底したノイズ対策を行った。以上の2点により、信号のS/N比と周波数特性を大幅に改善し、燃料希薄領域におけるC_2からの発光を計測することが可能となった。 2)層流予混合バーナ火炎を用いて、種々の混合気濃度におけるOH、CH、C_2からの発光を計測した。特に、C_2の473.7nmバンドと516.5nmバンドの発光強度比と火炎温度の関係を明らかにした。
|