研究概要 |
(1)制御系設計と実装 衝突する物体間に緩衝材に替えてアクチュエータを挿入した既存の衝撃制御実験装置において,接触力目標値に追従させる制御実験を行った.まず,弾性変形から塑性変形へ連続的に制御器の特性を変動させるゲインスケジュールド型のフィードバック制御系を設計し,その閉ループ特性を考慮したフィードフォワード制御入力を用いた2自由度制御系を構築した. (2)接触力目標値の設定とロバスト性能の検証 接触力目標値の設定には,ます,接触力目標値と部材変形量との関係を予め終端状態制御の解から見出す方法を検討した.その結果,終端状態制御では,必ずしも接触力目標値に到達しないことがわかった.そこで,最適化問題の解法により,接触力目標値を導出する方法を検討した,接触力目標値を極限性能解析により解くためのモデリングを行うことで適切な接触力目標値が得られ,当該手法がもっとも適切な方法であることを見出した.制御に際しては,予め定めた接触力目標値に追従させるため,2自由度制御系を設計した. (3)制御実験 接触力目標値追従制御系による制御実験を実施するため,Digital Signal Processorに制御系を実装した.制御実験を行い,得られた結果がシミュレーション結果と整合性があることを検証した.特に極めて応答速度の速い現象であるため,制御対象のモデル化の高精度化について検討を加えた.今後は弾塑性変形部材の特性変動初期条件の変動に対するロバスト性の検証を行う予定である.
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