研究概要 |
電子ビーム露光装置などに装着された真空機器としての磁気軸受を使ったターボ分子ポンプを,これを備えた構造物に対する制振機器としても活用する狙いを持つ研究である。下記項目を実施した。 (1)制振向け制御系の構築:並進とティルト運動に基づく運動モード別のフィードバック系を構築した。この構造のもとで,制振対象の鋼板の1次・2次モードの検出信号を容易に印加できている。 (2)真空系の実験:ターボ分子ポンプを回転状態に持ち込むためには粗引きが必要となる。そのための真空システムを考察し,実験系を構築した。 (3)回転実験:粗引きポンプで低真空にした後,ロータを回転駆動する実験を行った。モード抽出・分配演算部の再度調整と姿勢安定性を確認する為の回転状態下のステップ応答試験を実施した。 (4)回転下における鋼板の制振実験:3,000rpmの条件下で鋼板の制振を行った。鋼板の1次および2次ベンディングモードの加速度信号に基づいて,回転状態にあるロータを並進・ティルト方向に強制加振した。その結果,1次ベンディングモードに関しては明瞭な制振効果が認められた。 (5)制振効果の改良:フィードフォワードパスのモード演算を再調整し,かつ回転による振れ回り振動を抑制するノッチフィルタを実装した。その結果,1次・2次ベンディングモードともに十分な制振効果を得た。
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