研究概要 |
平成18年度および19年度の2年間における研究成果は以下のとおりである。 (1)改質器を考慮した燃料電池発電模擬装置の開発:小容量直流電源を用いて、燃料電池のI-V特性および改質器の遅れを一次遅れ要素で近似した燃料電池発電模擬装置を開発した。直流電源の制御には、計測制御用統合ソフトウェアであるLabVIEWを用いた。 (2)燃料電池発電電力逆変換用インバータシステムの開発:研究室に所有しているDSPシステムを中核とするインバータシステムを開発し、パワーラインコンディショナ機能および電流バランサ機能を付加した。 (3)改質器の応答を考慮した場合の逆潮流現象の確認:改質器の応答により負荷急変時に発電電力の過不足が発生することをMATLAB/SIMULINKを用いた計算機シミュレーションにより確認した。シミュレーション結果から過不足電力の大きさを検討しフライホイール容量を決定した。 (4)フライホイール電動発電模擬装置の開発:平成18年度に完了できなかったフライホイール電動発電機模擬装置の開発について計算機シミュレーションにより詳細な検討を行った。 (5)家庭用燃料電池発電システムの構成:一戸建て規模を想定し、計算機上で家庭用燃料電池発電システムを構成し負荷変動による改質器の応答遅れの模擬,余剰・不足電力の発生の確認,およびフライホイールにより余剰不足電力の補償が可能であることを確認した。 (6)EDLCシミュレータの構成:米国DOEの改質器開発目標を考慮するとEDLC(電気二重層キャパシタ)が、余剰・不足電力補償に近い将来有望となる。そこで、昇降圧チョッパと単相PWM整流器を用いたEDLCシミュレータを構成し、計算機シミュレーションにより有効性を確認した。
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