研究概要 |
1.ギアレスのダイレクトドライブが可能な永久磁石同期発電機について、有限要素法に基づく磁界解析により各種回転子構造の特性を検討した。平均トルク、トルクリプル、コギングトルク、出力および効率について検討した結果、ダイレクトドライブ風力発電機として永久磁石をV字形に埋め込んだ構造の埋込磁石同期発電機が適することが明らかとなった。 2.永久磁石同期発電機をセンサレスで高効率、高出力運転するために直接トルク制御(DTC:Direct Torque Control)を適用した制御システムを検討した。提案制御システムは、磁極位置の情報が不要、非常に簡単な構成で風速センサレス最大電力点追従(MPPT)制御が実現できる、発電機のパラメータ変動の影響が小さいなどの特徴があることを明らかにした。 3.上記2.の発電制御システムの有効性を検証するために、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)による全ディジタル風力発電制御システムを構築し、制御ソフトを開発して実装した。また、模擬風車実験装置を用いて、提案する風力発電システムの実験を行い、特性を評価した結果、風力発電制御法として有効であることを確認した。 4.上記研究成果の一部は、国際会議(13th International Power Electronics and Motion Control Conference, EPE-PEMC2008,Poznan, Poland)で発表し、海外の研究状況を調査するとともに海外の研究者と意見交換を行った。また、電気学会の全国大会や産業応用分門大会などでも研究発表を行った。
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