研究課題/領域番号 |
18560282
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
橋本 修 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60237930)
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研究分担者 |
西方 敦博 東京工業大学, 教育工学開発センター, 准教授 (60260535)
松本 好太 青山学院大学, 理工学部, 助手 (50406823)
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キーワード | 電波吸収体 / ETCレーン / 円形格子 / 磁性材料 / 金網 / 円偏波 |
研究概要 |
高速道路におけるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)の利用率は75%程度までに達し、複数のETCレーンを有する料金所も整備されつつある。このような状況下、ETCの隣接レーン間における電波の相互干渉について対策を施す必要があり、反射・シールド特性に加え視認性や通気性に優れる形状として、ガラス繊維強化プラスチックを母材とした方形格子タイプや磁性材料を金属棒に被覆した円筒棒列タイプを中心に検討し、実現性を確認してきた。今後、ETC専用のインターチェンジ(スマートIC)の整備が進められるにあたり、より小スペースに施工可能な薄型のレーン間用電波吸収体の実現が必要不可欠な現状にある。 そこで本研究では、良好な吸収性能を有する薄型ゴムシートと裏打ちする金属板に周期的な円形格子を施し、視認性および通気性に優れるETCレーン間用電波吸収体を提案し、特性評価を解析と実験の両面から検討した。具体的には、厚み2.4mmで5.8GHzに整合する、カルボニル鉄を配合したEPDM/天然ゴム材料からなる単層型電波吸収体に円形格子を施し、最適な円形形状と厚みを有限積分法による解析にて決定した。次に、視認性はそのままにシールド性能の向上を目的としてバックメタルに金網を採用し、特性評価を解析にて確認するとともに、実際にサンプルを製作して実験的にも検討した。 この結果、ETCで使用される円偏波に対して入射角度30°まで-15dB程度の反射量、-25dB以下のシールド量がそれぞれ得られることを定量的に確認した。これらの結果から、厚さ3.57mmのETCレーン間用薄型電波吸収体の実現性を明らかとした。
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