研究課題/領域番号 |
18560288
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
花岡 良一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90148148)
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研究分担者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
深見 正 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60247434)
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キーワード | 変成菜種エステル油 / HFCガス / 電気絶縁特性 / EHDポンピング / 液体ジェット / 同軸円錐型電極系 / 純伝導ポンピングメカニズム / HFC43-10 |
研究概要 |
本研究は、地球環境保全が確保できる新絶縁油の創製とEHDポンピング技術を用いた新規な熱伝達促進法の構築を行い、電気絶縁特性とEHD流動特性の相互関係を実験的・理論的に解明し、新機能性の環境保全型機器開発に貢献できる基盤技術の提供を目的とする。 昨年度までに、環境に優しい植物油(菜種エステル油)が優れた絶縁特性を有することが分かった。また、この油中にHFCガス(HFC123)のハロゲン原子成分を無声放電リアクターによって活性化し油の成分原子に結合させた変成油でEHDジェットを発生できることが分かった。本年度は、EHDジェットを有効に発生できる電極系の開発に取り組み、新たに同軸円錐型電極系を開発して、EHDポンピング能力を調べた。この電極系は、円錐筒の中心軸上に棒電極を取り付けた単純な構造であるが、パワフルな液体ジェットを発生することが分かった。作動油は比較的環境に優しいHFC43-10を用いた。さらに、電極ギャップ間の電位分布を測定し、このHHDジェットが電極表面付近に形成されるヘテロチャージ層に起因した純伝導ポンピングメカニズムによって発生することを実験と理論検討から明確にした。また、棒電極表面を部分的に絶縁コーティングすることによって、ポンピング圧力が増し伝導電流を低減できることが分かった。これによって、液体の熱伝達促進技術にこの電極系を用いると、省エネルギー化が図れることが明確になった。本年度までに提案・開発した絶縁油とEHDポンピング用電極は、油入電力変圧器などの新しい冷却法として期待される。
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