研究課題
本研究では、リスクの定義として、「供給支障量と発生頻度の積」を採用し、電力系統の最も重要な評価特性である過渡安定度の喪失に起因するハイリスク事象を確実かつ効率的に探索できる実用的手法を開発する。次に、これを用いて電力系統のハイリスク事象を具体的に明らかにする。この目的を達成するために、最終年度として実施した研究の成果を次に示す。1.実際の電力系統と同等の規模を有するモデル電力系統のハイリスク事象を探索するためには、小規模系統に適用した手法をそのまま使用したのでは、探索時間と計算コストが過大になる恐れがある。これを克服するために、より効率的な手法を新たに開発し、これを用いて具体的なハイリスク事象を明らかにした。2.雷、地震などの自然災害に起因するハイリスク事象の探索において、自然災害データと電力系統解析データのとの間で不確定性に大きな違いがあり、前者の方が桁違いに大きい。このことを考慮して自然災害データをパラメータとして扱う探索手法を開発し、これを用いて自然災害データの不確定性がリスクにどのような影響を与えるかを明らかにした。3.リスクに大きな影響を及ぼすと推測される諸要因を列挙し、モデル電力系統を対象にしてそれらがリスクにどのような影響を与えるかを定量的に評価した。これにより、本研究を発展させた研究課題である「過渡安定度に起因する電力系統リスク低減方策の優先順位決定」を遂行するために有効な基礎データを得ることができた。4.エジプト、中国へ海外出張し、国際会議で研究成果を発表し、専門家のコメントを受けるとともに関連機関を訪問して研究情報を収集し、研究活動に反映させた。さらに、研究成果を国際専門誌に投稿し、掲載された。
すべて 2008 その他
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http://www.anan-nct.ac.jp/