研究課題/領域番号 |
18560295
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中村 格 鹿児島工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助教授 (50227881)
|
研究分担者 |
小迫 雅裕 鹿児島工業高等専門学校, 電気電子工学科, 講師 (80350429)
|
キーワード | 環境調和対応材料 / 電気絶縁材料 / 変圧器 / 菜種油 / エポキシ樹脂 / ポリマー系ナノコンポジット / パルスパワー / 部分放電 |
研究概要 |
環境調和型変圧器を想定した新しい絶縁材料として、将来的には液体と固体の複合絶縁システムを検討している。そこで、18年度は液体と固体の新しい絶縁材料として、菜種油およびエポキシ樹脂ナノコンポジットに着目し、それぞれの電気絶縁特性を個別に評価した。 1.菜種油の誘電・絶縁特性評価 (1)インパルス電圧による試験:インパルス電圧発生装置(現有)を用いて、菜種油および従来の変圧器の絶縁に使われている鉱油について絶縁破壊強度を測定し、比較検討を行った。その結果、菜種油の絶縁破壊強度は鉱油とほぼ同程度であることが明らかになった。 (2)高周波パルスパワー発生装置の製作:高周波パルスパワーによる試験のための発生装置を製作した。最大出力電圧350kV、最大出力電流3kA、パルス幅2μsのパルス電圧の発生が可能となった。今後は、本装置を用いた絶縁破壊試験が可能となった。 2.ポリマーナノコンポジットの誘電・絶縁特性評価 (1)実験試料の作成:市販品および別研究にて創製したポリマーナノコンポジット材料を用意し、1mm厚の実験試料に成型・加工した。走査型電子顕微鏡(借用)を用いて、試料内のナノフィラー分散性を確認した。 (2)実験試料の評価手法の確立:高周波高電圧電源(現有)を用いて絶縁劣化特性の中でも重要な項目である耐部分放電性を評価した。棒対平板電極を用いて、試料表面を部分放電劣化させ、劣化度合いを表面粗さ測定機(新規導入)を用いて測定した。その結果、ナノアルミナを5wt%添加しただけで、マイクロアルミナを60wt%充填した試料と同等あるいはそれ以上の耐部分放電性を有することが明らかになった。 18年度の一年間で基礎的な成果を発表できる準備が整ったので、現在、論文作成を鋭意進めている。今後は、更なるデータを蓄積し、最終目的の達成を目指す。
|