研究概要 |
希土類酸化物材料のLa_2O_3が次世代高誘電率絶縁膜(high-k膜)として非常に有望であることが最近の研究で示されているため、次世代CMOS用ゲート絶縁膜材料としてLa_2O_3を導入するための研究が盛んになっている。La_2O_3をCMOS集積回路技術用に導入するためにはpMOSおよびnMOSトランジスタに適した仕事関数を持つ電極材料の開発が必要であり、次世代CMOSの電極材料に金属材料が用いられると予測されていることから、本研究では、La_2O_3をゲート絶縁膜に用いた次世代CMOS技術のために最適なメタルゲート材料の選定することを目標にゲート材料の探索研究を行っている。平成18年度は主にEOTが1nm前後の場合においても、絶縁膜としての特性のばらつきが少なく再現性のよいLa203高誘電率ゲート絶縁膜が得られるようにLa2O3膜の成膜についての研究を行った。平成19年度は主に各種ゲートメタル材料のLa2O3上での実行仕事関数に関する基礎データを集める研究を行った。研究手法として各種金属材料を用いLa_2O_3上にC-V,I-Vなど電気特性の測定用の電極形成し、得られた電気特性のデータからLa_2O_3上での各種金属材料の実効仕事関数の導出を行った。金属電極の実効仕事関数に影響を与えると考えられるLa2O3の吸湿性の問題、金属/絶縁体界面での界面層形成、膜中の固定電荷及び界面準位密度などの問題以外にも界面に形成されるダイポールの影響も検討すべき重要課題であることがわかった。
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