希土類酸化物材料のLa_2O_3が次世代高誘電率絶縁膜(high-k膜)として非常に有望であることが最近の研究で示されているため、次世代CMOS用ゲート絶縁膜材料としてLa_2O_3を導入するための研究が盛んになっている。La_2O_3をCMOS集積回路技術用に導入するためにはpMOSおよびnMOSトランジスタに適した仕事関数を持つ電極材料の開発が必要であり、次世代CMOSの電極材料に金属材料が用いられると予測されていることから、本研究では、La_2O_3をゲート絶縁膜に用いた次世代CMOS技術のために最適なメタルゲート材料の選定することを目標にゲート材料の探索研究を行っている。本研究ではまずEOTが1nm以下の場合においても、絶縁膜としての特性のばらつきが少なく再現性のよいLa2O3高誘電率ゲート絶縁膜が得られるためのLa2O3膜の成膜プロセスについて研究を行った結果、再現性の良い良質な絶縁膜が得られる成膜プロセスを確立させた。平成20年度には主にゲート絶縁膜La2O3上のメタルゲート材料の選定・検討にターゲットをしぼり、界面層形成、ダイポール影響また電極材料の仕事関数の制御可能性なども考慮にいれながら研究を進めた。発表されているメタル電極材料についての文献データをも参考に、本研究で得られたメタル電極材料の電気特性のデータを分析し、La_2O_3を次世代高誘電率絶縁膜として導入のために欠かせないゲート電極用金属材料について検討を行った結果、La_2O_3に用いられる金属電極について多くの知見が得られた。
|