研究課題
SmFe_7やSmFe_3など、プレーナ型巨大磁気異方性を有する永久磁石材料のミリ波帯電波吸収材料としての可能性を検討することを目的として、磁性体の作成条件の検討、基礎磁気定数の測定、自然共鳴周波数の理論的な推定、高周波吸収特性測定法の検討を行った。得られた成果は、1)金属間化合物磁性体の作成条件の検討:アルゴン雰囲気下のアーク溶解により、多結晶体を合成、石英管中に真空封入し、焼鈍後水中に急冷して試料を得た。SmFe_3は種種の条件を検討し、最適化を行った結果、真空石英管中、900℃で焼鈍後、水中に急冷すると再現性良く単相の試料が得られることが判明した。SmFe_7は複雑なSm-Fe系相図中で、存在温度領域が極めて狭く、単相多結晶の作成には成功しなかった。2)結晶学的評価と基礎磁気定数の測定:得られたSmFe_3粉末の結晶構造をX線回折により調べ、試料の同定を行うとともに、磁化測定を行い、単結晶の測定で得られたデータと比較して磁性の面からの評価も行った。3)自然共鳴周波数の理論的な推定:単結晶で得た基礎磁気定数のデータを基に自然共鳴周波数の理論的な推定を行った。異方性磁界H_A=5.7×10^6A/m(72kOe)のSmFe_3は共鳴周波数f_rが概算200GHz、H_A=8.8×10^6A/m(110kOe)のSmFe_7はf_rが310GHz近くになり、サブテラヘルツ帯における電波吸収材料として極めて有望な材料であることが示された。4)高周波吸収特性測定方法の検討:現状ではサブテラヘルツ領域の吸収測定法として、十分に確立された方法は無い。ここではテラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)を用いた透過法を採用の適否を検討した。また、THz-TDS測定のデータから透磁率の周波数分散を導出する方法も同時に検討した。
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