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2008 年度 実績報告書

ダブルペロブスカイト型酸化物の単結晶育成および磁気抵抗効果と自己組織化の関連性

研究課題

研究課題/領域番号 18560318
研究機関茨城大学

研究代表者

吉田 宏二  茨城大学, 大学教育センター, 講師 (80341254)

キーワード強相関エレクトロニクス / 複合材料・物性 / 巨大磁気抵抗 / 自己組織化
研究概要

ダブルペロブスカイト酸化物Sr_2FeMoO_6はハーフメタル強磁性体であり、多結晶試料において室温で粒界トンネル起因した大きな磁気抵抗効果が報告され、電子デバイス材料として注目されている。一方、単結晶試料でも低温で比較的大きな磁気抵抗効果を持っている。本研究では、あえて低温での磁気抵抗効果に着目し、元素置換やキャリア濃度を制御した単結晶の育成を行い、低温での磁気抵抗効果の大きさの制御やその要因、特に自己組織化との関連性についで明らかにしたい。H20年度は、Fe置換によってキャリア濃度を制御したSr_2Fe_<1+x>Mo_<1-x>O_6においてH19年度にわれわれが見出した、x=0.5近傍の同門領域で起こる正方晶-立方晶結晶構造転移、金属-絶縁体転移、強磁性-スピングラス転移のメカニズムをより詳細に調べるために、まず, その境がx=0.5=1/2のきりのいい分数なのか, そうでないのかについて多結晶試料を用いて精査した。その結果, x=0.42を境にすべての転移が起こることがわかった。この結果は、Feの電子状態について3d^6Lの大きな安定性を示唆するものであり、MoとFeの混成軌道を占めるキャリア電子がなくなることによって、金属一非金属転移が生じ、二重交換相互相関作用によってダブルペロブスカイト酸化物における強磁性が発現していると考えられる。また構造転移についても、先のキャリア電子がなくなることにより、イオン半径の小さい+4価のFeが生じ始めるためと考えられる。
一方、単結晶の育成も精力的にすすめ、x=0.4までの単結晶の育成に成功し、多結晶と同様な物性を示すことを明らかにした。今後は転移領域を超えた単結晶の育成を行い、自己組織化を含めたミクロな観点で、この転移の詳細を明らかにしていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Sr_2FeMoO_6のFe置換による構造,磁気転移および金属-絶縁体転移2009

    • 著者名/発表者名
      吉田宏二, 池内晋也, 金城直志, 清水大
    • 学会等名
      日本物理学会第64回年次大会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] ダブルペロヴスカイトSr_2Fe_<1+x>Mo_<1-x>O_6単結晶の電気的特性II2008

    • 著者名/発表者名
      金城直志, 吉田宏二, 清水大
    • 学会等名
      応用物理学会中国四国支部、日本物理学会中国支部・四国支部、日本物理教育学会中国四国支部2008年度支部学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2008-08-02
  • [備考]

    • URL

      http://info.ibaraki.ac.jp/scyipts/websearch/index.htm

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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