研究概要 |
平成19年度(中間年度)においては申請した研究計画に従い、ナノ結晶磁性膜の特性向上と特性の発現についての構造解析を行い、さらに誘電体膜の試作開発を行いながら磁性膜/誘電体膜の2積層構造膜について試作準備を行った。 その結果、ナノ結晶磁性膜については13GHz動作まで向上でき(論文業績1)、下地層に結晶配向の制御が特性を高めることを明らかにした。しかし、磁性膜/誘電体膜の二層膜の試作では、磁性膜の特性劣化が起こり、この対策として、基本的な磁区構造についても調べ、高周波での磁壁移動の検証結果(論文業績2,3,4)を得るとともに、誘電体膜上にコーティングする下地層の生成条件について調べた(Intermag 2008,5月サライト会議に発表予定)。 以上の結果から、さらに下地層の生成条件を誘電体膜層に対して改善を行いながら、次年度は目的のハイブリッド材料の第一試作に入り、その効果として伝送線路短縮、挿入損失の評価と測定に入る予定である。その評価方法についても、周波数の特殊解析と測定理論の調整があり、多研究者の支援を得ながら行う予定である。
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