研究概要 |
以下のような研究成果が得られた. 1.高分子合成を行い高分子薄膜を電析 グラニュラ薄膜の作製に先立ち,エポキシ樹脂薄膜とポリプロピレン樹脂薄膜のそれぞれを水溶液からの電析により作製することに成功した.エポキシ樹脂の水溶性化は、市販のエポキシ樹脂を用いた.ポリプロピレンは、アミノ基が導入済みの市販のジエチレントリアミンプロピレンオキサイド付加物を使った.これらの樹脂を作製後,電析を行った結果、エポキシ樹脂,プロピレン樹脂の最適な析出条件を見出すことができた.また、赤外反射スペクトルの測定より、高分子膜が析出していることが確認できた。 2.2種類のポリマーをブレンドした高分子薄膜の作製 次に、2種類の樹脂を混合し、混合比率を変化させて電析実験を行い、電気抵抗や膜形態に及ぼす影響を調べた。この場合、混合樹脂の全体濃度を2ml/100mlとして、ポリプロピレンの比率を0〜100%と変化させ、電流密度7.5mA/cm^2の定電流、浴温度60℃で電析を行った。得られた薄膜の電気抵抗をテスターで測定したところ、ポリプロピレン濃度が高くなると電気抵抗は比較的抵抗が低くなることが見出せ、場所によっては30MΩのテスターのレンジをオーバーする高電気抵抗の膜が作製できていた。次に、膜の表面形態を調べるために、AFMによる像観察を行った。その結果、エポキシ濃度が高いところでは、比較的大きな粒が集合して薄膜が形成されており表面粗さも大きいことが分がった。 3.2種類のポリマーと軟磁性金属の同時電析 次に,2種類の樹脂とNi-Fe合金を同時に電析することを,試みた.pHを3程度にし,Ni-Fe合金の析出条件に合わせて,樹脂の析出を試みたところ,樹脂と金属が同時に析出する条件を見出すことができた.
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