研究課題
次世代高速無線情報通信用の送信用超伝導バンドパスフィルタを開発するために、平成18年度から、次の事項を集中的に検討し、成果を得た。(1) 分割型マイクロストリップ線路の高耐電力の実証シミュレーション(2) 分割型マイクロストリップ線路を用いたフィルタの高耐電力特性の実験的実証バンドパスフィルタを構成するマイクロストリップ線路の耐電力特性を向上させるためには、線路端に集中して流れる電流を如何に低減させるかが重要なポイントであると我々は考えている。それを検証するために実験を行い、平成20年度では、次の様な成果を上げることができた。(1) に関しては、電磁界解析ソフトを用い、分割型マイクロストリップ線路と通常の線路の電流集中度を比較し、分割した線路の方が、電流集中低減することを明らかにした。また、最適な分割数と分割間隔を明らかにした。(2) に関しては、NbN薄膜を用いて、分割線路のバンドパスフィルタと通常線路のバンドパスフィルタを設計・試作し、分割型線路の優位性を実験的に明らかにした。設計したフィルタは、3段フォワードカップル形フィルタである。2種類のフィルタの耐電力特性を比較した結果、分割線路を用いたフィルタの方が約2dB耐電力が向上することを見出した。その値は、ストリップ線路端の電流集中の低減で説明できる。この成果を基に、今後送信用の5〜10Wの耐電力を持つ超伝導フィルタの開発を目指す。
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IEICE Trans. Electron E92-C
ページ: 302-306
Physica C 468
ページ: 1969-1972
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http://www.ohshima-lab.yz.yamagata-u.ac.jp