研究概要 |
多チャンネルファイバグレーティング(FBG)は、波長分割多重(WDM)光通信システムおいて、WDMフィルタ、広帯域分散補償器、光合分波器、多波長ファイバレーザなどの素子として注目を集めている。本研究では、これまで我々が提案した離散化したサンプリングFBGをさらに発展させ、チャンネル数が多く、WDMCバンドの全域をカバーする多チャンネルFBGの開発と位相マスクによる新しい製作法の確立を明らかにした。詳しい内容は以下を通った。 1.高チャンネル数FBGの作製に必要な最大屈折率変化量を小さくするために、連続的な位相のみのサンプリング関数を用いた。そしてアニーリング法により、各チャンネル特性の均一性と高い帯域内のエネルギー効率を持った51チャンネルのFBGの設計を行う。 2.また、広帯域な分散と分散スロープの同時補償器の実現のため、新しい連続的なチャ-プサンプリング関数を採用する。各チャンネルの特性が異なったFBGの作成を可能にするために、新たな位相マスクを提案した。この方案では、マスクはFBGの屈折率変調の情報を用いるので、複雑なFBGの作製は容易になる。 3.数値計算結果を確立するため、いくつかの51チャンネルFBGを製作した。試作したデバイスの反射及び群遅延時間の波長依存性を測定した。チャンネル間隔100GHz、使用可能帯域幅0.4nm(1dB帯域)、波長分散(1545nm所に)約-1650ps/nm。波長分散スロープ-5.6ps/nm^2,ほぼCバンド全体の分散と分散スロープの同時補償できる51チャンネル(間隔100GHz)FBGが得られていることが分かった。製作したFBGの測定結果は理論的結果とよく一致したことが明らかにした。
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