研究概要 |
ADSL、FTTHなど有線ブロードバンド通信の普及や、衛星デジタル放送、地上波デジタルTV開始にともなう動画コンテンツの増大により、無線LANなどの高速無線データ通信のニーズは急拡大している。現在普及してきているIEEE802.11a,b,g等の無線規格では速度及び安定性の面から性能面で不十分といわれている。このためUWBなどの新しい通信方式が開発されているが、アンテナや高周波外付けチップ等の数が増えるためデバイスを小型化設計することが大きな課題となっている。本研究では、セラミックなどの誘電体基板上に複数の平面型アンテナを配置し、そのアンテナに直結したCPW (Coplanar Wave Guide)による広帯域インピーダンス整合回路を構成し、さらに今回新たに提案するマルチバンドパスフィルタを直結することで、マルチバンドアンテナ一体型デバイスを開発するものである。 本年度(〜平成19年3月31日)の研究実績を示す。 1)広帯域スロットアンテナの設計については、申請者らが提案したCPW整合回路一体型スロットアンテナの設計の妥当性を検証するために、電磁界シミュレータを用いて小型アンテナの設計を行う。なお、本設計理論では簡単化のため、導体の損失無し、導体厚=0としたが、実際のデバイスを設計する際には、導体厚と損失を考慮して設計した。 2)整合回路一体型マルチバンドアンテナの開発については、申請者らが提案したマルチバンドフィルタを複数のアンテナに適応し一体化設計を行い、小型化設計を行った。形状はマルチジャンクション構造とした。理論を検証するために一例として、フィルタ1の周波数を5GHz、フィルタ2の周波数を6GHz、フィルタ3の周波数を7GHzとした。
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