研究課題/領域番号 |
18560347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊藤 彰義 日本大学, 理工学部, 教授 (60059962)
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研究分担者 |
中川 活二 日本大学, 理工学部, 教授 (20221442)
大月 穣 日本大学, 理工学部, 助教授 (80233188)
塚本 新 日本大学, 理工学部, 講師 (30318365)
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キーワード | 光アシステッド磁気記録 / FePt / 磁性複合膜 / 急速昇温結晶化法 / 自己組織化 / 多孔質Si / ナノテンプレート / 磁壁ピンニング |
研究概要 |
1平方インチ当り1テラビット(1Tb/in^2)以上の超高密度記録可能で熱的にも安定な光アシステッド記録媒体実現を目指し、1.自己配列化微小FePt結晶および、2.希土類遷移金属(RE-TM)非晶質連続膜を高い磁気異方性を有するFePt微小結晶粒膜上に積層した複合膜、いわゆるCoupled Continuous Granular(CGC)膜、の二つのアプローチについて検討した。 本年度の主な成果は以下の通りである。 1.自己配列化微小FePt結晶 トリブロックコポリマーの自己組織化現象を利用し作成した多孔質SiO_2薄膜(空孔周期約14nm)の表面をArドライエッチングし、ナノスケールの凹部を有する下地層を作成した。これを基板とし、スパッタ法によりFeCu、Pt薄膜を順に積層した後、急速昇温結晶化法を用いることでFeCuPt微小結晶粒膜(平均粒径約6nm)の形成に成功した。同一手法により熱酸化Si基板上へFePt微粒子を作成した場合粒子充填密度が約20%であったのに対し、本基板を用いることにより、約50%へ飛躍的に向上した。ここでFePtへCuを添加しているのは、(001)優先配向促進のためである。 2.磁性複合膜 CGC状複合膜構造(FePt微粒子/TbFeCo光磁気記録膜)とすることで、下地磁性微粒子が磁壁ピンニング点を形成し、RE-TM非晶質複合膜の磁壁抗磁力増大に有効であることを、Landau-Lifshitz-Gilbert方程式を用いたマイクロマグネティクス・シミュレーションにより明らかにした。また、その主因が、下地FePt微粒子との交換結合によるものであることを明らかにした。具体例として、直径5nmのFePt微粒子が粒子間隔3nmで稠密に配列した上に、5nm厚のTbFeCo層を配置した複合膜において、TbFeCo単層膜では形成不可能な直径約27nmの磁区が形成された。
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