研究課題/領域番号 |
18560348
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中川 活二 日本大学, 理工学部, 教授 (20221442)
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研究分担者 |
高橋 慎吾 秋田県高度研究所, 上席研究員 (70370228)
伊藤 彰義 日本大学, 理工学部, 教授 (60059962)
塚本 新 日本大学, 理工学部, 講師 (30318365)
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キーワード | 記録・記憶 / 光アシスト記録 / 近接場光 / ハイブリッド記録 / 熱アシスト |
研究概要 |
近接場光磁気ヘッドデバイスを実現し、1Tbit/inch^2の記録密度(25nm×25nmサイズ)の記録を実証することを目的とし、作製した近接場基礎評価装置にて熱磁気記録を行った。 1)光アシスト磁気記録用媒体の作製 L1_0型FePt相を光アシスト磁気記録用媒体として用いるための課題であった500℃のキュリー温度Tcを、NiやCuが添加されたL1_0構造を作製することにより、200℃前後の適正なTcへと低減させることに成功した。有用な試料作製条件を確立したことは、光アシスト磁気記録用のシステム評価のためにも極めて有用である。 2)光アシスト磁気記録用媒体Cu添加L1_0-FePt薄膜への熱磁気記録の実証 熱酸化膜付きSi基板上に作製した上述のCu添加L1_0-FePt薄膜を用いて、熱磁気記録の検証を行った。光学顕微鏡下における波長780nmの半導体レーザ加熱と1kOe程度の磁場印加により、室温では10kOe以上の高い保磁力を有している本薄膜の局所磁化反転に成功し、熱磁気記録が可能なことを示した。レーザ照射時間10μsの条件下においては、記録の閾値レーザパワーは15mWであった。記録マークサイズは1μm程度であった。本成果は、作製された媒体の有用性を示すと同時に、近接場光による光アシスト磁気記録方式実現の可能性を示した。 3)近接場光記録に必要な表面プラズモンアンテナの作製とシミュレーション解析 シミュレーション解析により高効率に近接場光を発生可能なプラズモンアンテナの形状や材料を決定し、それにより設計された形状を収束イオンビームFIBにより作製した。 以上により、熱アシスト磁気記録の実証実験が可能になり、現在これを継続している。
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