研究課題
本研究では、高分子材料を基板として、ナノインプリント技術及びナノメッキ技術を用いて、実装デバイス埋め込み用溝とサブミクロンサイズでの配線が形成された基板を製作し、次に、この基板表面をプラズマ照射及び、エキシマUV光照射による表面活性化の手法を用いて、低温での接合技術で多層化して、デバイス埋め込み型積層基板を構築するための要素技術を確立することを目的としている。そこで先ず、樹脂基板内に埋め込んだデバイスから外側へ取り出すための電気信号を、高周波の信号も考慮して、ノイズ等の影響がないようにするために立体的でかつ、短い距離で電気信号を送れるようにするために100nmの幅、80nmのビアを持つ3次元Cu立体配線構造の作製を試みた。スパッタや蒸着では作製することが出来ないので、メッキを均一に成長させる回転治具も設計して電解パルスメッキ法を開発し、上述のナノサイズへの微小3次元配線構造へのCu埋め込み電解メッキ技術を確立することが出来た。配線構造にはFE-SEMの観察によってボイド(不良箇所)がなく、表面分析検出装置によってCuで出来ていることを確認している。次に、作製した樹脂基板同士を低温で接合するために、接合界面にArプラズマ照射及び、172nm波長のエキシマUV光を30秒程度で照射し、その後、樹脂変形の少ない80℃以下で3MPa以下の圧力で5分間おく事で接合することが可能となり、中空の溝の基板で接合し断面形状をFE-SEM装置で観察した結果、変形の無い低温接合技術を確立することを確認することが出来た。これまでの成果から、十分にデバイス埋め込み型積層基板を作製するための要素技術を構築することができたと言える。
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Journal of Photopolymer Science and TechnoIogy Vol. 21, No. 4
ページ: 591-596
Sensors and Actuators B 132
ページ: 368-373
ページ: 374-379