研究課題
可視光域光学波長オーダーである200nmピッチの微細格子パターン形成技術として、ナノインプリンティング法および電子線投影露光法を比較検討した。両者とも、パターン形成には成功したが、ナノインプリンティングでは基板上の堆積物付近では凹凸のためにテンプレートが密着せず、100μm径を超えるパターン未形成領域ができることがわかった。一方、電子線投影露光では堆積物のみパターン未形成となるがその周辺には悪影響がなく、こちらの方法が優れている。今後は電子線投影露光法に絞って実験を進める。作製したSiC基板上モスアイ構造については、青色(460nm)、緑色(525nm)、赤色(660nm)の波長に対する透過率特性を評価した。いずれの波長においても平垣面と比較して、2倍以上の大幅な透過率向上が観測された。SiC基板およびAlGaInP基板について、エッチング条件の導出を行った。SiCではSF6ガスを使用し、ICPドライエッチング装置のコイル電力、イオン引き出し電力の最適化、エッチングマスクの選定を行い、モスアイ構造で必要とする断面形状およびエッチング量確保が可能となった。AlGaInP基板においてもCl_2+BCl_3混合ガスによって、同様に良好なエッチング条件を導出できた。以上の検討により、両基板上へのモスアイ構造作製が可能となった。一方、LEDの作製に関しては、有機金属化合物気相成長法装置の故障、結晶成長条件の導出に手間取り、試作に至らなかった。平成20年度の試作を目指す。
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