本年度は、18年度の成果を踏まえ、PA符号の理論解析に加え、符号化率を柔軟に可変できるPA符号を設計する手法を開発すると共に、高性能なPA符号の設計指針を明らかにした。具体的には、下記の3項目について検討を行った。 1)PA符号の符号化率を任意に設定できるようにするため、2種類の単一パリ ティ検査符号を組み合わせて得られる拡張PA符号、ならびに低符号化率においても符号化率を任意に設定できるようにするためGPA符号に複数の単一パリティ検査符号を組み合わせる拡張GPA符号を提案し、計算機シミュレーションによって、符号長を長くしたときに任意に小さい誤り率を達成するのに必要な信号対雑音比のしきい値を明らかにした。 2)理論解析の面では、PA符号の潜在的な性能を調べるため、各種の多値通信方式にPA符号を組み合わせ最尤復号を行った際の理論的性能限界を求めた。 3)これまでに得られた成果から、4-ASK、8-ASK、8-PSKに対して、実際に優れた復号誤り率特性を有するPA符号の設計法を確立し、高性能なPA符号の設計指針を明らかにした。
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