研究課題
基盤研究(C)
先ず、非周期アレーアンテナの設計法として従来から使われている最急降下法による最適化の限界について検討した。4×4の放射素子(合計16個)を平面上に巧みに配置することにより、指定の方向のサイドローブパターンを最適化する問題を例にして、最急降下法による最適化を行った結果、最適化の計算結果が、初期条件に大きく依存するとともに、わずかな初期条件の違いにより、解が全く異なってしまい、真の最適解を求めることが困難なことが分かった。そこで、放射素子の位置座標を1と0の2進数の組み合わせで表し、この2進数をコードとして使い、各コードに対応した放射パターンを求めるプログラムを作成した。一旦コード化された位置座標は、1と0を入れ替えることにより、任意の位置を指定することができるので、この性質を使って、遺伝的アルゴリズムによりコードの入れ替えのルールと放射パターンの関係を調べた。コードの入れ替えのルールとして、MSD5ディジットを固定し、残りの5ディジットを、放射パターンが優れているコードと置き換える方法を試みた。この計算は単純な作業の繰り返しであるため、コンピュータに関心のある学生にコンピュータの操作を依頼した。計算の初期値としては、0と1をランダムに発生させ、10ビットを使って、放射素子一個の位置座標とした。16個の位置座標が互いに重なり合わない場合だけを計算の対象とした。これまでに得られているデータのうち、もっとも優れている放射パターンでは、最急降下法による最適化により得られている放射パターンより約2dB優れている。この結果を、非周期アレーの設計例に関する論文として、IEEE国際会議に投稿した。
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2006 IEEE AP-S/URSI International Symposium, Albuquerque, NM, USA 1
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