サフアレー16個からなる非周期アレーアンテナの最適設計法について検討した。非周期アレーの要求条件として、実用化を念頭におき次の5項目を考えた。(1)非周期アレーアンテナの大きさの限界を周期アレーアンテナの大きさの75%増とする。(2)サブアレーの一つの対角線方向のサイドローブ特性はITU-Rの勧告580の技術基準を満たす。(3)この方向以外のサイドローブについての制約は無いものとする。(4)各サブアレー間の電気的カップリングは無視できる(5)実際のハードウエアを製作するときに必要な寸法誤差はサブアレーの大きさを12ビットで量子化した時の最小ディジット程度とする。上記5項目の要求条件を満たす非周期アレーアンテナの最適配置を求めるための初期値を乱数で求めるアルゴリズムを考案した。このプログラムは第1番目のサブアレーを非周期アレーアンテナの中心に置き、乱数を使って求めた2番目のサブアレーが第一番目と重ならない場合を正解として第2番目のサブアレーを配置する。順次サブアレーの数を増やし、最終的には16個全部のサブアレーを乱数を使って配置した。正解が得られるまでの計算時間はデスクトップ型パソコンでは数分であるか、ノートパソコンではほとんど正解は得られなかった。この乱数で求めた初期値より出発し最急降下法を使って最適値を求めることを試みた。この手法により設計した非周期アレーアンテナは周期配置のアレーアンテナと比べ約6dBのサイドローブ特性の改善が得られた。そこで、初期値と得られた最適値を2進コード化し、各コードの間に存在する遺伝的関係を調べた。 この結果は論文としてIEEEの国際会議で発表した。
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