研究課題/領域番号 |
18560372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高橋 謙三 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50377470)
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研究分担者 |
藤枝 重治 福井大学, 医学部, 教授 (30238539)
谷口 秀次 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70115301)
森 幹男 福井大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70313731)
山本 健人 福井大学, 医学部付属病院, 助教 (80303379)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | ディジタル補聴器 / ネットワーク化 / ZigBee / 気導音・骨導音 / 対数周波数軸圧伸 / 非線形圧縮 / 老人性難聴 / ユビキタス接続 / Ubiaquitous Connection |
研究概要 |
工学研究科・医学部の学内学部間連携の下に、本研究を遂行した。 老人性難聴では聴力損失が対数周波数軸上高周波領域で漸増する傾向がある。これに対し、周波数軸を圧縮・伸張し、損失補償する、調整の容易な余弦形補聴器システムを検討し、広い動作範囲で良好な補償特性が得られることを回路実験ならびに主観評価実験により実証した。聴覚系大脳周辺誘発電位を補聴器回路入カヘフィードバックすることによるフィッティングの自動化は、現状で1時間程度要する調整時間を数秒に圧縮できる可能性がある。基礎実験の結果、誘発電位と入力音の相関が認められたが、周囲騒音等の雑音にマスクされる傾向があり、相関性を検出し、自動化するには、測定精度の格段の向上を要することが分かった。気導音と骨導音の併用による受聴音品質の向上については、通常健聴者が聞いている気導音と骨導音の適切な混合割合を主観評価し、統計的に判定した結果、骨導音利用の有効性ならびにめがね型補聴器の可能性を究明した。 これらの補聴器の基本機能に関する実験結果に基づき、補聴器回路のディジタル化を検討し、ディジタル信号処理(DSP)LSI素子を用いて、全ディジタル型のエミュレータを構成し、1次全通過ディジタルフィルタの多段接続により、所要の聴力損失補償を、容易な調整で達成し得る全ディジタル補聴器回路を実現した。実音声を入力し、主観評価した結果、自然な音質の聴力損失補償が可能なことを実証した。 多数の補聴器システムを無線LAN機能によりネットワーク化することで、通信品質の向上を図る方法を考え、Bluetoothを用いたディジタル補聴器の無線ネットワーク化の見通しを得た。引き続き、無線素子ZigBeeを用いることで、特性を改善し、老人ホーム等で同時使用者数を格段に増やせることを究明し、遅延、消費電力ともに約1/10以下で、ユビキタス相互接続可能な補聴器利用者を1万人まで収容できる見通しを得、基本動作を実験実証した。
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