研究概要 |
本研究は,センサネットワークの特性改善について検討していくもので,特に個々のセンサノードで観測するデータ間の相関を利用して,フュージョンセンターでの通信路誤りの抑制を実現することを目的としている.相関を利用した通信路誤りの抑制は,例えばセンサノードで観測された観測データが全て等しい(すなわち相関1)とすると,各センサノードから同じ観測データがフュージョンセンターへ無線伝送されることになり,ダイバシチ受信(複数アンテナで受信した同一の信号を合成することで利得を得ること)と同じ効果が期待できる.これより,観測データに相関がある場合,無線通信路での誤りの影響を軽減できる. 本研究では,センサノードとして画像センサを想定し,各画像センサ間の相関を利用した通信路誤り率の抑制手法について検討する. 申請者は,既に観測データ間の相関を利用すること,通信路誤りに伴う平均観測情報量の劣化を抑制できることを確認している.結果として,相関係数が半分程度あれば,効果的な通信路誤りの抑圧が可能であることが分かった.また,先行研究では,情報源が2つの場合しか検討されていなかった.これを3つ以上の場合に拡張し,一般化した. さらに,平成18年度の検討結果をもとに,解析的に本手法の有効性を確認すべくEXITチャート解析を行った.結果として,本手法の有効性がEXITチャート解析からも確認できた.
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