研究課題
本研究では、多様な位相パターンを発生する大規模カオス回路ネットワークを構築し、回路実験・計算機による数値シミュレーション・理論解析を通して、「位相パターンの安定性に関する調査」・「位相パターンへの情報の埋め込み」・「位相パターンのカオス的遍歴の制御」を行うことにより、大規模カオス回路ネットワークの位相パターンの特徴を明らかにするとともに、その情報処理への応用を調査することを目的としている。本年度に得られた主たる成果は以下の通りである。1.二つのカオス回路を交差結合した系に見られる同期現象の解析二つの簡単なカオス回路をインダクタを介して交差結合した系に見られる同期現象の調査を行った。振動波形の正負が切り替わる点に、解の小さい振動の同期が関与していることを明らかにすることができた。2.伝送線路のクロストークによるカオス同期の解析伝送線路を含むカオス回路を並べて配置すると、伝送線路に発生するクロストークが原因で、カオス同期が見られることを明らかにした。また、同期平面の安定性を数値的に調査し、カオス同期が発生することを裏付けた。3.多数のカオス回路の結合系に見られるスイッチング現象の調査カオスネットワークに発生するスイッチング現象の統計的な特性を明らかにし、スイッチングをマルコフチェインでモデリングする手法についての調査を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
IEEE Transactions on Circuits and Systems 1 vol. 55, no. 9
ページ: 2736-2742
Proceedings of IEEE International Symposium on Circuits and Systems n/a
ページ: 2394-2397
Proceedings of International Workshop on Nonlinear Dynamics of Electronic Systems n/a
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