• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

低コスト・高稼働率な固定衛星業務用時間遅延/サテライトダイバーシティ方式の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18560382
研究機関北海道工業大学

研究代表者

初田 健  北海道工業大学, 工学部, 非常勤講師 (10198757)

研究分担者 前川 泰之  大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (30181572)
キーワードKu帯衛星通信方式 / 時間遅延ダイバーシティ(TDD)方式 / サテライトダイバーシティ(Sat. D) / 回線稼動率
研究概要

(1) Ku帯TDD/Sat. D方式の理論的特性測定:これまで、Sat. D方式の特性データはかなり収集されているが、最近の異常気象により、短期の測定データでは、詳細設計には不十分である。本年度は、Sat. D方式のデータをさらに充実するとともに、Ku帯TDD/Sat. D方式の適用による回線稼働率の改善効果を定量的に明らかにするためのデータを収集した。また、具体的な、Sat. D方式を実現するための装置を実装し、長期データを収集している。BS(110°E), JCSAT-3号衛星128°E)の衛星の18°の軌道間隔で、約5dBの降雨マージンで、約1桁(1/10)の回線稼働率の改善効果があることが明らかとなっている。今後は、これらの長期データ、理論的検討が必要である。最新の成果の一部は、2009年IEEE AP-S(アンテナ・伝搬シンポジューム)に投稿し採録された。
(2) Ku帯TDD/Sat. D方式の具体的装置構成法の検討:Ku帯TDD/Sat. D方式の実現性を確認し、設計資料を得るために、具体的な装置構成の設計を行い、必要な部品を具備して、既存の地球局を活用して、方式の一部シミュレートするための組み立てを実施し,所期の結果を得た。
TDD/Sat. D方式を目標とし、Sat. D方式装置の特性確認を目標に設計・実験を進めた。方式構成としては、Lune-Qアンテナで受信した、JSAT128°衛星とJSAT110°衛星から受信した2信号を、中間周波数帯に変換し、この2種のIF信号をレベル比較し、信号強度の大きい信号に切り替えることで、回線断の時間を短くしている。
(3) Ku帯TDD方式の特性測定:Ku帯-TDD方式の設計に当たっては、2信号間の遅延時間をどの程度にすべきかがKu帯TDD方式の実用化の可能性が左右される重要な値であり、測定データの収集を継続した。
現有の、測定系は、BS, JCSAT-3号衛星を受信するための5基のアンテナ(アンテナ直径(台数):40cm(4)、65cm(1))、を使用して衛星信号の特性を継続的に取得し、TDD方式特性の基礎データを収集した。データを処理した結果、約20~30分の遅延で、回線稼働率の改善効果があることが明らかとなった。
以上の結果は、Ku帯衛星通信方式の低コスト化・高稼働率実現のために寄与できる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Comparison of Characteristics of Measured Ku-band Satellite Diversity (Sat.D) Unit and Theoretical Sat.D System,2010

    • 著者名/発表者名
      T.Hatsuda, Y.Iwatani, M.Sasaki, Y.Tsushima, N.Yosimura, T.Zakouji, K.Kawasaki, M.Kuroda, K.Imai, Y.Maekawa
    • 雑誌名

      2009 IEEE AP-S International Symposium, 310.9, Session 310

      ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Study on the Satellite Diversity and Time Delayed Diversity Techniques in Ku-band Satellite Communications Links,2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Maekawa, T Hatsuda
    • 雑誌名

      JC-SAT2009 SAT2009-45

      ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ku帯固定衛星業務でのサイトダイバーシティ方式装置実測特性と時間遅延ダイバーシティ(TDD)方式への発展2009

    • 著者名/発表者名
      初田健, 岩森靖卓, 佐々木学, 対馬義行, 吉村憲民, 座光寺孝明, 河崎憲一郎, 黒田昌利, 今井克之、前川泰之
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術報告 SAT2009-15

      ページ: 45-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ku帯およびKa帯衛星回線におけるサテライトダイバーシティと時間遅延ダイバーシティ効果の検討2009

    • 著者名/発表者名
      前川泰之、初田健
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術報告 AP2009-69

      ページ: 147-152

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ku帯衛星回線におけるサテライトダイバーシティと時間遅延ダイバーシティ効果の検討2009

    • 著者名/発表者名
      前川泰之、初田健
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術報告 SAT2009-10

      ページ: 169-174

    • 査読あり
  • [学会発表] Ku帶固定衛星業務の稼働率改善のための時間遅延ダイバーシティ(TDD)方式の年間特性とITUでのTDD方式研究動向2009

    • 著者名/発表者名
      初田健, 岩森靖卓, 佐々木学, 対馬義行, 吉村憲民, 座光寺孝明, 河崎憲一郎, 黒田昌利, 今井克之、前川泰之
    • 学会等名
      平成21年度電気・情報学会北海道支部連合大会
    • 発表場所
      北見工業大学
    • 年月日
      20091000
  • [学会発表] Ku帯衛星回線におけるサテライトダイバーシティと時間遅延ダイバーシティ効果の数値的検討2009

    • 著者名/発表者名
      前川泰之、初田健
    • 学会等名
      電子情報通信学会2009年総合大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] Ku帯固定衛星業務のサテライトダイバーシティ(Sat.D)方式の装置実測特性と理論値との比較2009

    • 著者名/発表者名
      初田健, 岩森靖卓, 佐々木学, 対馬義行, 吉村憲民, 座光寺孝明, 河崎憲一郎, 黒田昌利, 今井克之、前川泰之
    • 学会等名
      電子情報通信学会2009年総合大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2009-03-18

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi