研究概要 |
光CDMAにおけるチャネル衝突緩和技術に関する研究成果を以下に示す。 1.時間符号化を用いた可変符号送信機-固定符号受信機(TTFR)型非同期SPECTS-光CDMAシステムにおけるチャネル衝突率を低減するためのスペクトルスライス方式およびチップレベル検出法を提案した。理論解析により、提案方式のチャネル衝突率を導出し,従来システムと比較してチャネル衝突率を低減できることを示した。 2.二段光ハードリミッタを用いたTTFR型二段階時間拡散符号化光CD甑システムのためのMAI緩和法を提案した。提案方式では、第二光直交符号の各重み位置に互いに異なる強度レベルを割り当て、複数の強度を持ったパルス系列を送信し、受信機では、高レベルの重み位置に対応する光ハードリミッタにおいて、入力光強度がハードリミッタのしきい値未満である限り、低強度のMAIを効率的に除去でき、かつユーザ間のチャネル衝突を緩和できる。理論解析の結果、提案方式が、従来方式と比較して、誤り率特性を改善できることを示した。 3.ユーザ毎に異なるビット誤り率特性を達成できる2レベルの光パルスを送信するCDMA方式において、ハードリミッタ及びバランス型アバランシェフォトダイオード(APD)を用いることにより、MAIを緩和する方式を提案した。提案方式では、優先ユーザは高レベルの光パルスを励起し、一般ユーザは低レベルの光パルスを励起する。優先ユーザは、高レベルの光パルスに等しい閾値の光ハードリミッタを用いて、低レベルの干渉を除去する。一方、一般ユーザは、入力閾値が異なる光ハードリミッタとバランス型APDを用いて、高レベルの干渉を除去する。提案方式では、優先ユーザも一般ユーザも同一の光直交符号(OOC)を用いることができ、理論解析により、提案方式は優先ユーザも一般ユーザも共にBER特性が改善できることを示した。
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