研究概要 |
今年度は、アンテナ素子(スパイラル素子、カール素子、逆F素子、折り返し線状素子)を電磁気的バンドギャップ(EBG)反射板上に配置し、アンテナ複合体としての放射特性を明らかにした。 (1)スパイラル素子 2線式ストリップスパイラルアンテナが、EBG反射板表面上、高さ0.05波長の状態で、極端に低く配置されている。EBG表面とスパイラル間を誘電体で満たし、2線式ストリッブスパイラルアンテナの小型化を図っている。誘電体の挿入により、アンテナを83.3%小型化できる。 (2)カール素子 カールアンテナが、EBG反射板表面上、高さ0.06波長の状態で、極端に低く配置されている。給電部付近のストリップ幅を変化させることにより、50Ω給電線との入力インピーダンス整合を図っている。その結果、低姿勢であっても50%程度の定インピーダンスが得られる。さらに、カール素子上に周期構造上板を設置.周期構造上板を設置することにより、設置しない場合に比べ約4.5dBの利得増加が得られた。 (3)逆Fアンテナ素子 EBG反射板上に逆F素子を2素子配列した場合を検討。逆F素子はEBG反射板表面上から0.03波長の高さにあり、超低姿勢となっている。2つの逆F素子が、同相あるいは逆位相で給電された場合の放射特性を検討,電圧定在波比(VSWR)の帯域は、同相給電の場合約10%、逆位相給電の場合約21%である。 (4)折り返し線状素子 折り返し線状アンテナをEBG反射板上に設置した場合の特性を検討。アンテナ高を0.06波長と極端に低くしている。折り返し線状アンテナをEBG板上に配置した場合、完全導体(PEC)板上に配置したものに比べ、放射抵抗は増加する。放射パターンの半値幅は、ほぼ同じ値となる。
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