研究概要 |
今年度は,変形されたEBG板上にアンテナ素子(スパイラル素子,パッチ素子)を配置した.EBG反射板の短絡ビンの有無についても考察した.さらに,EBG板-放射素子-周期構造からなる三層アンテナ系を考察した. 1.スパイラル素子 アルキメデス形状と等角形状のスパイラルアンテナを使用.各スパイラルアンテナをEBG反射板表面から0.07波長の高さに配置.EBG反射板の中央部のパッチを取り除くことで軸比,利得の改善を図った.取り除くパッチ枚数を適切に選ぶことにより,3GHzから10GHzの周波数範囲にわたり,安定した軸比と利得特性が得られた.特に,周波数5GHzから7GHzにわたって,軸比,利得の大輻な改善が得られた. 2.パッチ素子 円偏波パッチをEBGパッチで囲んだ場合の放射特性を検討した.この時,使用するEBGパッチの枚数は少ない.直交偏波成分は,EBGパッチの効果により,従来のものに比べ低くなり,理想状態に近づいた,さらに,EBG板の短絡ピンの有無について,利得の観点から考察した.EBGパッチの短絡ピンの有無は利得特性に影響を及ぼすことがわかった.短絡ピンが有る場合の利得は,短絡ピンがない場合のものに比べ,約1dB高い. 3.三層アンテナ系 EBGパッチで囲まれたパッチ放射素子の上部に周期構造板を用い,利得増強を図った.上部周期構造板の一辺とEBG板の一辺を同じ長さに選んでいる.EBG板の一辺が約1.74波長の場合,三層系アンテナは,放射素子単体利得より約8dB増加した.
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