研究概要 |
本年度は,1Pv4++方式の実装を目標として機能設計,詳細設計を行い,実装上の問題点の明確化と設計へのフィードバックを進めた。以下に進捗をまとめる。 1.ミッションクリティカルを利用に対応するため,バックアップ機能の追加を行った。これは接続装置間で定期的に情報更新を行うプロトコルVAMP(Virtual Address Management Protocol)およびRGP(Realm Gateway Protocol)によって実現することとした。 2.1.の切り替え時間を二桁程度向上させるためのアルゴリズムTPV(Temporal Path Vector)について論文をソフトウェア科学会第8回インターネットテクノロジー研究会にて発表した。 3.英文論文を執筆し,研究協力者であるコーネル大学のポール・フランシス教授と議論を行った。論文が複雑になりすぎた事を指摘され,装置中心に書き直すとともに,実験結果を入れることとした。 4.米国BBN研究所のクレイグ・パートリッジ博士と,本成果をIETFの標準化トラックに載せることについて議論を行った。標準化トラックに載せるよりも,事実上の標準にすることを急ぐようアドバイスを受け,設計と実装を加速することとした。 5.機能設計および詳細設計の検討中に,VPNのパスを通すことができないことがわかり,運用上のワークアラウンドを検討した。すべてのアドレスを動的に割り当てるのではなく,VPNでは固定的に割り当てることで,本問題を回避することとした。 6.Linux上で本方式の実装を進めたが,進捗率は全体の70%程度となった。実装中の設計上の問題発見やOSとの親和性の問題に対応すべく設計を変更したことが原因である。現在,実装を加速させている
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