研究概要 |
本研究の目的は,ファジィ推論等の演算をネットワーク状に結合してモデリングする手法(Fuzzy Interface Unit Network:FIUNとよぶ)を用いて自律分散処理系を形成し,3つの高機能で実用的なシミュレータを構築することである.そして,それらのシミュレータによって,それぞれ実際の問題を解析する.20年度は3つのシミュレータについて以下のことを行った. 1. (1)昨年度はAシミュレータ(MITRAM)を15台の信号実機と接続し,信号制御方式をMITRAM上で検証できるシステム(信号制御方式検証プラットホームとよぶ)を構築したが,本年度は信号機をコンピュータ上でシミュレートするシステムを構築し,このシステムとMITRAMを接続した.これによって様々の信号制御方式を容易に検証できるようにした. (2)MITRAMによるシミュレーションで,各交差点の分岐率は交通量実データと合致するように試行錯誤的に決定していたが,これを自動的に決定できる機能を作成した. (3)MITRAMにおけるシミュレーション結果として,交通量,平均速度,占有率,遅れ時間,旅行時間等を,任意の時間,任意の場所について算出・表示できるようにした. 2. 2つ目のBシミュレータ,すなわち能動安全解析用ドライビングシミュレータでは,周囲の車両挙動をMITRAMの方式に基づくものとし,様々な運転挙動をシミュレータ上に設定できるようにした.周囲の車両の個性として,車間時間や反応時間,最低ウィンカー時間等の違いを与えられるようにした.これによりさらに実用性の高いシミュレータとすることができた. 3. 3つ目の市街地の車両の動きを監視する監視カメラシステムの構築のためのCシミュレータでは,各カメラ同士が情報交換を行い協調できるようにし,知的機能を高めた.
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