本年度の研究では、危機管理集団意思決定のためのモデルのファジィ化、条件制約導入ための確率推論モデルの構築と、人間が実際に意思決定を行う際の外部条件の現れ方と学習の関係について考察した。すなわち、危機管理者の意思と外部制約の融合により、意思決定構造のファジィ化が必要になることから、得られた複数のファジィ数をデファジィ化する方法を開発した。また、外部要因の導入によって、超行列の要素に対する数学的制約が崩れることから、関係行列の類似性に基づく要素のグループ化を、行列の対称性、推移性の関係から検証した。具体的には、以下のとおりである。 (1) 危機管理型意思決定モデルのファジィ化 ・可変軸法を用いたファジィ意思決定モデルの構築を行った。 ・意思決定者間の誤差を最小にする最適評価値の決定手法を提案した。 (2) 確率推論モデルの構築 ・確率事象の複合を、独立、完全依存、正依存、負依存、反対の5つに分け、それぞれの性質について考察した。 ・上記依存関係に対し、ファジィ意思決定機構でも取り扱えるようにファジィ化も行った。 (3) ファジィ関係行列の対称性、推移性に基づく意思決定評価のクラスタリング手法を開発した。(投稿準備中)
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