研究課題
基盤研究(C)
平成18年度には、間接冷却ステージを含む装置筐体の試作を行い、基礎データの取得を通じてノウハウの蓄積を行った。試作装置においてデバイスを冷却する方式として採用した間接冷却ステージの場合、冷却ステージを液体窒素に浸すことにより熱伝導でSQUIDを間接的に冷却するため直接冷却型ほど熱収縮によるSQUID破壊に気を使わずに済むなどの利点がある代わりに、完全には液体窒素温度(77K)まで冷却しない可能性があった。今回実際に試作した装置においても、78〜79K程度に留まっており、液体窒素中で動作させた場合よりも僅かにセンサデバイス特性が劣化していることが判明した。今後、ステージへの熱伝導を改善することで冷却効率を向上させる一方、デバイス特性を向上させることでより高温でも安定に動作可能にすることを試みる必要がある。センサデバイス出力のS/N比向上については、以前から提案してきた、SQUIDデバイスを多重接続した新構造のデバイスの試作を進め、その測定データを蓄積し、設計にフィードバックすることで、磁場雑音下でも安定動作する実際的なセンサデバイスとなるよう検討を進めている。一方、実際の生体磁気信号計測・バイオ計測として免疫反応検査への応用を想定して、その予備実験を山形大学・北海道大学のグループと共に開始した。生体との親和性が高いナノメートルサイズの磁性微粒子を使い、微粒子に結合したバイオターゲットを高感度SQUIDセンサにより磁気的に計測することで、生化学的に結合したバイオターゲットを高感度で分離検出する技術開発が可能と考えているが、結合した場合の磁気緩和時間が未結合の場合の緩和時間よりも数桁長いために両者で交流磁界の周波数に対する依存性が異なることを、予備実験にて検証した
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IEEE Transactions on Applied Superconductivity 17