研究概要 |
本研究は,プラズマチャンバー内で発生する異常放電の発生箇所を推定することを目的としている.発生箇所の数としては,同時に複数発生することを想定している.推定方式としては,2箇所の監視窓にそれぞれ4本のアレーアンテナを設置し,パルス状の放電信号を受信する.このとき,アレーアンテナを用いて到来方向推定を試みる. プラズマチャンバーを模擬した金属の箱を構築し,その内部での実験を行った.ウェハサイズとして300mmを仮定している.測定周波数は,プラズマチャンバー内での電波伝搬実験を行った文献を参考に,2GHzを想定している.つまり,波長λで正規化すると,ウェハの寸法は2λである.従って,作成した金属箱は円形であり,直径はウェハが入るよう3λとしている. まず,正弦波で実験を行った.各アンテナの振幅及び位相の補正を行う.この補正値はパルスの実験において利用する.正弦波による実験により,一波源に対して良好に推定を行うことができた. 次に,パルスによる実験を行う.パルスにおいても,振幅及び位相の補正を行う必要があるが,この場合の補正値は,正弦波の場合の値をそのまま用いる.その結果,パルスの場合も,正弦波同様に,良好に動作することが確認できた. 今後は,複数波源を含めた解析を行ってく予定である. 特に,最終年度は,実寸大のプラズマチャンバーを作成し,この内部における放電箇所推定実験を行う予定である.到来方向推定に基づく手法だけでなく,受信電力推定に基づく手法についても検討を行う.
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