研究課題/領域番号 |
18560416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
嶺岸 茂樹 東北学院大学, 工学部, 教授 (70146116)
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研究分担者 |
芳賀 昭 東北学院大学, 工学部, 教授 (20048820)
山崎 慶太 竹中工務店, 技術研究所, 主任 (30416606)
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キーワード | コンクリート / 塩分濃度 / インピーダンス / 抵抗成分 / 容量成分 / TDR / 反射波形 / 立ち上がり時間 |
研究概要 |
本研究では、鉄筋腐食の要因となるコンクリート中の含有塩分濃度、中性化度合を評価することが可能な非侵襲寿命診断技術を確立する。 本研究においては、円柱状コンクリート試験体を用いた基礎実験を行った。コンクリートの含有分の濃度や量に対応して比誘電率が変化するのか否かを明らかにするため、塩化物濃度に依存してインピーダンス、並列等価回路とみなした場合の抵抗成分と容量成分、およびTDRによる反射波形がどのように変化するかを実験により確認した。円柱形試験体は直径5cm、長さ9cmの円柱形で、塩化の量は1m^3当り0,0kg、0.1kg、0.2kg、0.3kg、0.45kg、0.6kg、0.9kg、1.2kg、2.4kg、3.6kg、の10種類を3本ずつ製作した。測定用電極にはステンレスワイヤーおよび銅箔を用い、インピーダンス、抗成分、容量成分、およびTDRによる反射波形が塩化物濃度によってどのように変化するかを測定した。 まずLCRメータを用い、周波数は100Hzから5MHzとして測定を行った結果、各試験体とも周波数とともにインピーダンスは小さくなった。また塩分濃度が多くなるに従い、容量成分は小さくなったが、抵抗成分はほぼ一定値であった。 次に、TDRによる反射波形の測定は、立ち上がり時間約40ps、電圧200mVのステップ波を用いた。その結果、塩分濃度が多くなるに従い、ステップ応答波形の立ち上がり時間が240psから260psまで変化し、半値点における電圧値は、0.3Vから0.27Vまで変化した。 これらの結果から、非侵襲・非破壊で、コンクリートの含有成分を分析できることを確認した。
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